脳神経内科からのお知らせ
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脳神経内科とは
脳神経内科では脳・脊椎・抹消神経の疾患の内、内科的な治療が主となる疾患を診療しています。例えばですが、認知症やパーキンソン病、てんかん、ギランバレー症候群、重症筋無力症、脳炎、多発性硬化症などの疾患が我々の主な診療の対象です。
取り扱っている主な疾患
(※各項目をクリックすると説明文章が表示されます。)
認知症
物忘れも程度によっては認知症と呼ばれます。ただ忘れるだけであれば気にしなければさほど大きな問題になりませんが、物忘れの果てに「ものを盗られた」や家にいるのに「自宅に帰る」などと言った、ちぐはぐな現実の認識による異常な言動・行動(BPSD)が出現することがあります。当院では診断までは行いますが、診断後は基本的に紹介元に処方を続けて頂き、介護のサポートをお願いしています。
パーキンソン病
パーキンソン病は脳の基底核と呼ばれる体のブレーキに当たる部分の異常により、歩行や手の震えを始めとした様々な症状を起こす神経難病の一つです。国の指定難病の一つで、レボドパと呼ばれる薬が効果を持つ他、70歳未満であれば脳深部刺激装置と呼ばれる脳ペースメーカーのような機械を外科手術に植え込むことである程度長くコントロールができることが知られています。
当院ではパーキンソン病の治療の内、レボドパの持続皮下注射療法を行える体制を整えておりますが、脳深部刺激装置の植え込みに関しては他院への紹介を行っております。
その他、パーキンソン症候群と呼ばれるパーキンソン病に類似した病気も神経内科の診療の対象です。例えば進行性核上性麻痺、脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症などがこのパーキンソン症候群に当たりますが、こちらはパーキンソン病と比べると顔つきがあまり良くなく、薬もほとんど効果を持たず、かなり早い段階で寝たきりとなってしまう事が知られています。パーキンソン症候群に関しては、診断までは当院で対応しております。
脳神経内科医でもパーキンソン病かパーキンソン症候群かの判断は非常に難しいため、特に60代、70代で歩行機能の問題がある方は一度当院までご相談ください。
重症筋無力症
神経筋接合部と呼ばれる神経と筋肉の繋ぎ目に当たる部分で神経抗体と呼ばれる物質が筋肉が、筋肉が運動する為に必要なアセチルコリンという物質を働きにくくしてしまう病気です。これによって、目の動きが悪くなったり、首が下がってしまったり、歩くと極端に息が切れてしまったりする症状がでます。
昔はあまり良い薬がなく、副腎皮質ステロイドと免疫抑制剤で予防していきながら、急激に症状が悪くなって呼吸ができなくなった(クリーゼと言います)時には一時的に透析で抗体を除去したり、免疫グロブリンと呼ばれる物質を大量投与することで対応していましたが、現在は分子標的薬という重症筋無力症で悪さをしてくる神経抗体や補体と呼ばれる物質のみに直接働きかける薬が開発され、かなり症状が改善するようになってきています。
当院では重症筋無力症で特に全身の症状を示す方を対象に、分子標的薬を積極的に使用しております。
てんかん
てんかんは脳の異常な電気活動によって以上な行動・異常な運動・異常な意識の高い状態に発作的になってしまう病気で、全世界の100人に1人で見られる非常に頻度が高い病気です。しかしながら、これだけ頻度が高いにも関わらず日本には成人を対象としたてんかんを専門としている医師は400人程度しかいません。
また、てんかんは「『てんかん』かどうか」「その要因は何か」を見極める事が非常に難しく、問診にも非常に長い時間がかかりますので、てんかんの可能性がある患者さんは専門外来に案内しております。初回は水曜日が3枠、30分~1時間ほどお話に時間をかけております。
受診に際しては必ず日ごろ掛かっている医療機関、搬送された場合には搬送先の医療機関とご相談し、お手紙を書いてもらってから受診頂ければ幸いです。
脳炎
脳炎はてんかんを診療しているとよく見る事がある疾患の一つで、難治なてんかん発作に加えて記憶障害、感情の障害、人格の変容、錯乱などの一見精神病のように見える状態になることがあります。
特に自己免疫性脳炎と呼ばれる自分の免疫細胞が自分の体を攻撃してしまうタイプの脳炎では難治なてんかん発作の原因となることが知られており、また、くすぶり型脳炎と言って、10年以上脳炎の炎症がくすぶることもある為、後遺症の判定も非常に難しいことが知られています。
当院では研究レベルではありますが、自己免疫性脳炎の抗体を他院と連携を結び、測定することができます。必要であれば、自己免疫性脳炎の治療も行っています。
多発性硬化症/視神経脊髄炎
若い方々に発作性の運動障害、視力障害を起こしたり、進行性の認知症を起こしたりする非常に厄介な疾患です。昔は副腎皮質ステロイドしか薬が有りませんでしたが、現在は疾患修飾薬と呼ばれる薬剤が開発され、徐々にコントロールが可能となっております。
当院では診断と疾患修飾薬の導入を行っております。
しびれ
手根管症候群やギランバレー症候群などの手足の痺れの検査を脳神経内科で担当しています。しかしながら、医師が一人で現状やっている為、予約制となっています。検査希望の方は地域連携室までご相談ください。
最後に
沖縄県南部では脳神経内科医が非常に少なく、特に救急病院に脳神経内科医がいない状況があります。そのため、上記のような神経疾患や神経難病の患者さんが脳神経内科にたどり着くことが出来ず、手遅れになってから救急搬送されてきたり、60代、70代で早々と老化として症状を改善することを諦めてしまったりと、悲惨な状況が見受けられます。
当院では主にてんかんを中心に日ごろの外来を行っておりますが、患者さんの行き場が現状あまりにもない為、パーキンソン病や重症筋無力症、多発性硬化症などの神経難病の患者さんの診断と対応の決定を行い、その後診療の継続が可能な医療機関に繋ぐという取り組みを積極的に行っております。
しかしながら、当院では一人で脳神経内科を運営しておりますので、診る事が出来る数には限りがあります。その為、当院の外来には長く通う事が出来ませんが、沖縄県南部地域にいらっしゃる他の神経内科の医師と連携を取っておりますので、診断・治療方針の決定後、すぐに他院へ紹介となってしまうことがあることをご容赦頂けますと誠に幸いです。
外来担当医表
| 受付 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 梅谷 啓太 | 梅谷 啓太 (てんかん) | 梅谷 啓太 | ||
| 午後 | 梅谷 啓太 | 宮城 哲也 (第2・第4) | 梅谷 啓太 |
※午前・午後とも予約・紹介患者様のみ受付となります。
※受付時間について/8:30~11:00(午前)、13:00~15:00(午後)まで
※2025年04月01日現在の体制表です。最新情報については地域医療連携室へご確認ください。
診療医師紹介
梅谷 啓太Umetani Keita
- ■ 専門分野
- 神経内科一般、てんかん
- ■ 所属学会・資格など
- ・日本神経学会専門医
・日本てんかん学会専門医
・日本内科学会認定医
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